※本記事の写真はすべて筆者が現地で撮影したものです
- 南大門のタチウオ横丁(カルチジョリム横丁)でトータル満足度が高いのは「ウリシッタン」
- 超有名店(ヒラッカルチ等)の「長時間の行列」と、空いている店の「満足度低下」のリスクを両方回避
- 注文は必ず「人数分」。無料のバンチャン(おかず)が付いてくるのでその種類が重要。
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ソウル特別市中区の南大門市場(ナムデムンシジャン)にある名物グルメスポットに「タチウオ通り(カルチジョリム通り)」と呼ばれている通りがあります。「カルチジョリム(갈치조림)」とはタチウオ(Hairtail / Cutlassfish)を大根などと一緒に甘辛く煮た料理です。
このタチウオの鍋料理を名物としているお店が密集しているために、通称「タチウオ通り」と呼ばれています。細い路地で本場の熱気を感じられる魅力的なエリアです。
ここで悩ましいのが「店選び」です。今回は店選びの基準として行列と味とボリュームなど5つの観点から、どこを選んだらいいかを検討してみます。

タチウオ通り攻略の基本
ソウルの南大門市場の北東にあって、細い路地2本にある魚料理、中でも焼き魚系のお店が並ぶ通りのことを指しています。下のGoogleマップでは「南大門市場太刀魚横丁」となっているエリアです。韓国語だと「カルチゴルモク」と細い路地を意味する「コルモク」を使うので、「タチウオ横丁」のほうが訳としては正しいですね。

タチウオ通りってどこのこと?
こちらがその地図です。地図では横(東西)に走っている通りを「太刀魚横丁」と表現しているように見えますが、実際には縦(南北)に走っている通りに焼き魚の料理店が並んでいます。
この焼き魚を扱う店が並ぶ中で、店の前の細い通路で真っ赤な鍋が強火でゴウゴウと調理されているのがタチウオ鍋(カルチジョリム)です。
ここで重要なのは、通りやタイミングで混雑度が大きく異なるということです。行列ができているのが人気店というのはその通りなのですが、時間やタイミングによって、さっきはこの店に長蛇の列だったのに、次のタイミングでは隣の店に行列ができる、ということがあります。
これで安心!タチウオ通りでの注文システム

言葉の壁やローカルルールによる「入りにくさ」をなくすため、タチウオ通りのお店の標準的な注文方法と料理をまとめました。これさえ頭に入れておけば、初めてでも迷わずスムーズに食事ができます。
1. 注文の基本要件は「人数分」: 韓国の食堂の基本ルールとして、カルチジョリムは「2人前からの注文」または「1人1品の注文」が必須要件となります。「複数人で来店して、カルチジョリム1人前だけをシェアする」といったオーダーできませんので、必ず人数分のメインメニューを注文してください。
2. バンチャン(無料のおかず): メインのカルチジョリムを注文すると、以下のサイドメニューが無料で自動的に提供されます。一部(ケランチムを除く)はお願いするとお代わりももらえます。
- ケランチム(韓国風の茶碗蒸し): 辛い煮付けのインターバルとして最適な、優しい味の卵料理です。
- タチウオの尻尾の唐揚げ: サクサクに揚がっており、煮付けとは違う食感が楽しめます。
- 焼き魚: サンマやイシモチなど、2人前以上だと焼き魚が付いてくることが多いです。
- その他の特色:韓国のり、キムチやナムルなどの基本のおかず類が出ます。ここにお店の特色がでます。つくだ煮や煮物、炒め物や酢の物など、これも楽しみの1つです。
3. 食べ方(小骨の処理): タチウオは非常に小骨が多い魚です。小骨を箸で取り除き、中心の身をご飯に乗せて食べるのが最も効率的です。また、鍋の底に敷き詰められた大根は、魚の旨味を吸収した隠れた主役です。ぜひ食べてみてください!

タチウオ通りでお店が混雑する時間は?
お店は7時くらいから開店します。メニューには焼き魚もあり、市場という場所柄、朝食の需要もあります。人気店だと10時すぎくらいから混雑し始めて、12時前には行列になります。そして2時~3時くらいなると落ち着いて、6時くらいにまた混雑し始めるというサイクルになっています。
比較的入りやすいのは、一般的な朝食の時間を外した10時頃と、2時過ぎです。この時間であれば1人でも入りやすいです。そのため時間の調整が可能なのであれば、空いている時間に訪問するのがいいと思います。

と言っても、朝だと朝食に食べたいメニュー(カルククスやソルロンタン)もあります。そして午後はちょっと郊外に出かけたい、という場合だと、ランチの時間帯に食べたいですよね。
ということでランチの時間に「タチウオ通り」に入ると、
- ガイドブック常連の超有名店が並ぶ通りにできている「長蛇の列」
- 1列左側の通りにある比較的すいているお店
という対照的な二択を迫られることになり、どこに入るべきか躊躇してしまうと思います。
仁寺洞エリアのおすすめの朝食として「里門ソルロンタン」の記事や、広蔵市場のメウンタン食べ比べの記事、ホルモン焼きの名店プルタヌンコプチャンの記事、東大門の深夜早朝ショッピングの夜食朝食の記事、があります。またソウル郊外の水原チキン通りの名店のレビューも!

タチウオ通りのポジショニングマップ:超行列店に並ぶ?
限られた旅行スケジュールの中で、「行列に1時間も費やすのはコスパ・タイパが悪いかもしれない。とはいえ、空いている店に入って結果として満足度が下がる、というリスクも避けたい」というのが悩みポイントではないかと思います。
それでも安全策をとるなら2店 ヒラッカルチ or チュンアンシッタン
前提として、ランチタイムに訪れる場合でも有名な2店、ヒラッカルチ(희락갈치)とチュンアンシッタン(中央食堂/중앙식당)の行列に並ぶ覚悟と時間があれば、それでよいと思います笑。味もサービスも満足いくと思います!
2店の場所はこちら。まずはヒラッカルチの場所です。
続いてチュンアンシッタン(ジュンアンシッタン)の場所はこちら。
これらのお店はカウンター席もあるので、一人でも可能です。むしろ一人のほうがカウンターが空きやすいので、入りやすい場合もあります。
ただ、この2店はランチタイムはとても混雑しているので、ここに並ぶのを敢えて避けるという目的で、タチウオ通りで最も費用対効果(タイパ&味の満足度)が高い、ちょうどいいバランスのお店を探します。
タイパの観点から2店 ウリシッタン or ノンクルシッタン
1店は、タチウオ通り右側の通りにあって、チュンアンシッタンの並びにある「ウリシッタン」というお店です。そしてもう1店が左側の通りにあり最も規模が大きい「ノンクルシッタン」です。
タチウオ通りの主要な店舗の傾向を整理すると、以下のような比較になります。お店には様々なメニューがありますが、ここは潔くカルチジョリム(タチウオ鍋)1本で比較します!
- 味(温度、タチウオや大根への味の染み込み具合)
- ボリューム(タチウオの大きさ、太さ、スープの量)
- おかず(バンチャン)の種類
- 待ち時間
- 入りやすさ(雰囲気)
これらの観点で、王道の2店(ヒラッカルチとチュンアンシッタン)は今回は除いて「ウリシッタン」と「ノンクルシッタン」で比較します。
ウリシッタンの店内の様子

ノンクルシッタンの店内の様子

直接比較:ウリ食堂(ウリシッタン) vs ノンクル食堂(ノンクルシッタン)
元祖カルチジョリム ウリ食堂
タチウオ通りのメインエリアにあり、適度な賑わいを見せる人気店「元祖カルチチョリム ウリ食堂」(ウォンジョカルチジョリム ウリシッタン(원조갈치조림우리식당))です。
ウリシッタンの場所はこちら
- 味(温度、タチウオや大根への味の染み込み具合):タチウオと大根への味の染み方は非常に良い。鍋もグツグツしていて見た目も非常においしそうです。
- ボリューム(タチウオの大きさ、太さ、スープの量):ボリュームがあります。タチウオの大きさも十分です。
- おかず(バンチャン)の種類:あげ焼きしたタチウオとカレイ、サンマなど数種類の魚、ケランチム、ノリ、キムチとナムルのセット
- 待ち時間:比較的すぐには入れる(タイミングによっては待つ)
- 入りやすさ(雰囲気):狭いので入りにくいがお店の人はとても親切
ウリシッタンのタチウオ鍋とケランチム

- 評価:★★★★★(タイパ&味のバランス最高)
- 特徴とメリット: 超有名店ほど絶望的な大行列ではないものの、常に満席に近い活気があります。肝心の味も、タチウオの身のふっくら感、秘伝のタレのコク、大根の芯まで染み渡った旨味など、行列店に引けを取らないハイレベルなクオリティ。「最小限の待ち時間で、最高峰の満足度を得られる」という、この通りで最もタイパが良い店舗だと思います。
ウリシッタンのタチウオ鍋とバンチャンセット。韓国ノリがお代わり自由です!

ノンクル食堂
タチウオ通りの左側の通りにあって、おそらく席数が最も多い店舗「ノンクル食堂」(ノンクルシッタン(넝쿨식당))です。
ノンクルシッタンの場所はこちら
- 味(温度、タチウオや大根への味の染み込み具合):タチウオと大根への味の染み方は非常に良い。ただし鍋もグツグツ感はあまりないのが残念。
- ボリューム(タチウオの大きさ、太さ、スープの量):ボリュームとしては汁感が不足しています。タチウオの大きさも少し小さめで細い。
- おかず(バンチャン)の種類:あげ焼きしたタチウオ、ケランチム、キムチとナムルのセット
- 待ち時間:すぐに入れる。2階席もあり席数が多い
- 入りやすさ(雰囲気):空いているので入りやすい。店員さんには声はかけにくい。
ノンクルシッタンのタチウオ鍋

- 評価:★★☆☆☆(利用シーンが限られる)
- 特徴とデメリット: 待ち時間は完全にゼロですが、前述の通り、ウリシッタンと直接比較してしまうと料理の仕上がりや満足度に明確な差があります。行列を極端に避け、おちついてビールでも飲みながら、というシチュエーションでは利用できますが、それ以外では旅行中の食事戦略としては正解とは思えない感じです。
ノンクルシッタンのタチウオ鍋とケランチム、バンチャンのセット。こちらはノリがありません…残念

まとめ:結局どこがいい?
南大門のタチウオ通りでランチタイムにお店を選ぶなら、「狭くて暗くて蒸し暑い路地の長すぎる行列」に「時間を奪われる」必要も、とにかく「空いているお店で妥協」する必要もありません。

圧倒的なタイパの良さと満足度を両立した「ウォンジョカルチジョリム ウリシッタン」を目指すのがベストだと思います。超有名店のヒラッカルチや中央食堂と比較しても負けません。ぜひ本場の絶品カルチジョリムを効率よく堪能してきてください!

- ヒラッカルチ / チュンアンシッタン などの超有名店 常に行列になっていて、ランチタイムは長蛇の列を作っているトップ君臨店です。確かに美味しいのですが、観光の貴重な時間を30分〜1時間以上も行列に消費してしまうのは、旅の「タイパ(タイムパフォーマンス)」の観点から見るとあまり賢い選択とは言えません。
- ウリシッタン 小さい店でチュンアンシッタンの隣のため目立たないですが、味もボリュームもバンチャンの種類も豊富で、コスパもタイパも非常に良いです。特にランチタイムはここが正解と言えます。
- ノンクルシッタンなどの大型店 左側の通りにあり並ばずにすぐ着席できます。時間的コストはゼロですが、実際に食べてみると味やボリュームに物足りなさを感じざるを得ませんでした。「並ばない」という目先のタイパを優先した結果、1食の満足度が下がってしまうのは本末転倒です。ビールでも飲みながら静かにタチウオや焼き魚をつまみたい場合以外は避けてもいいと思います。
よくある質問 Q&A
- Q1人での入店は可能ですか?
- A
カルチジョリム(タチウオの煮付け)は、横丁全体を通して「2人前からの注文」が標準となっています。ただし最近は多くの店舗で1人でも提供してくれています。店内にカウンター席があれば1人でも可能です。お店の人に人差し指を1本立てて「ハン ミョン(1名)」と確認してみましょう。
- Q韓国語が話せなくても注文できますか?
- A
問題ありません。日本語メニューを用意している店舗も多いです。事前のリスクヘッジとして、本記事で解説した「人数分のメインメニュー注文が必須」というシステムさえ理解しておけば、入店時に指で人数を伝えるだけで自動的にオーダーが通ります。
- Q並ぶ時間を極力減らすためのベストな時間帯は?
- A
ランチのピークタイムである11:30〜13:00は、観光客に加えて近隣のオフィスワーカーも合流するため混雑が最大化します。南大門市場の飲食店におけるタイムマネジメントの鉄則として、ピーク前の11:00頃、または14:00以降のアイドルタイムを狙うのが、タイパを極限まで高める最も合理的な戦略です。
- Q支払いはクレジットカードが使えますか?
- A
はい、ローカルな食堂ですが、基本的にはクレジットカード(WOWPASSやNAMANEカード等含む)でのキャッシュレス決済に対応しています。ただし市場という特性上、稀に発生する決済端末の通信エラー等のシステムトラブルに備え、少額の現金(ウォン)をバックアップとして持参しておくと安心です。
- Q辛いものが苦手でも食べられますか?
- A
カルチジョリムは見た目通り、唐辛子とニンニクが効いた辛さがあります。辛さを中和する緩和剤として、セットで無料提供される「ケランチム(韓国風の茶碗蒸し)」を交互に挟みながら食べるのが、ベストプラクティスです。
- Q服や髪に匂いはつきますか?
- A
つきます。タチウオ横丁は細い路地に密集した各店舗が外で魚を焼いたり煮たりしているため、通りを歩くだけでかなり煙を浴びます。匂いがついても気にならないカジュアルな服装で訪問することを強く推奨します。


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