※本記事の写真はすべて筆者が現地で撮影したものです
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ツェルマット観光の最大の敵、それは実は「高山病」です。最高地点は標高3,883mと富士山よりも高く、急激な上昇はせっかくの旅行を台無しにするリスクがあります。
本記事では、2025年5月に筆者が実際に行ってみたルートを紹介します。ミラノからツェルマットに入ったあと、「段階的な高度上昇」と「初日は下りのみ」という制約を設け、リスクヘッジを最適化した、2泊3日の攻略ルートになっています。
ミラノからツェルマット移動の注意点と見どころをまとめた記事も是非参考にしてください。
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ツェルマットの神レベルのホテルについて書いた記事や、ツェルマットでチーズフォンデュを食べ比べした記事もあります。
ベストシーズン到来、でも心配なのは天候だけじゃない!
スイスのツェルマットエリアはマッターホルンを眺めることができる美しい場所です。
これはホテルの部屋の中からの眺めです。

5月後半からは雪どけ後に花が咲きほこり、一方で標高の高いところでは雪が残って冬山の厳しさも感じることができるというベストシーズンでもあります。
マッターホルン山頂が見えるかは天候次第
せっかく行くならマッターホルンみたいですよね。それは本当に素直な気持ちだと思います。
特に日程が近づいてくると、ネットの天気予報が気になります。そして天気予報の結果を見て「ツェルマットからマッターホルン山頂まで見えるのかな?」「ずっと曇りだったらどうしよう…」とさらに気になってしまう…
しかし、この天候は気にしても仕方がありません。このリスクを回避するにはツェルマット滞在期間を長くして、晴れる日を待ち続けるということになります。
それは一般の旅行者には難しいことだと思います。通常は旅行全体の予定があり、時間もコストも制約があります。

本当に検討しないといけないリスクは?
天候は気になります。ただ、これは対策の取りようがないという前提であきらめましょう 笑
むしろ天候が良くても良くなくても、きちんと楽しめるように準備可能なこと、対応可能なことを検討しましょう。そのほうが気持ち的にも楽しいです。
それが高山病対策だと思います。以下にまとめますが、ツェルマット村から観光地まで一気に標高が上がります。標高が上がった後に気分が悪くなったりしたら、せっかく晴れていても楽しめません。
その対策を考えるうえで、前提となる心構えもありますが、回るルートが重要だと思っています。訪れる場所だとしても標高が異なるので、高山病になりにくいルートを検討しました。
実際に2025年5月末にミラノからツェルマットを訪れました。幸いに天候にも恵まれて、とても楽しく過ごすことができました。

高山病になるの?
これまで何度か高山病になりかけたことがあります。キリマンジャロ登山、クスコ、ラサ。最初のキリマンジャロでは自分は高山病とは無縁だと過信していたからですが、それ以外はその場所に到着した段階での油断からでした。
頭痛がしたり、気分が悪くなります。重症になると自分では歩けなくなるようです。実際にそのような人を各所で見かけました。ツェルマット村は比較的標高が高くないため、ここまで下りてくると改善すると思います。
でも、せっかくツェルマットまで行って、お金を払って標高の高いところに行くので、そこで楽しめないと残念な気持ちになります。そこで最も避けなければならないのは体調悪化です。
水分補給をこまめにする、お酒を飲みすぎない、急激な運動を避ける、といった基本的な対策をとるという前提です。そのうえでルート的な回避策を検討しましょう。

【データで見る】各展望台の標高とルート設計
まず、ツェルマット周辺の主要スポットを「標高順」に整理しました。この標高差をどう攻略するかが「タイパ」と「体調管理」の鍵となります。
標高を考えると以下の順番で回るのがいいと思います。

標高の低い順に並べると…
| スポット名 | 標高 | 難易度 | 役割 |
| ツェルマット村 | 1,620m | – | ベースキャンプ |
| スネガ | 2,288m | 初級 | 1日目:高度順応+下り |
| ゴルナーグラート | 3,089m | 中級 | 2日目午前:中間順応 |
| グレッシャー・パラダイス | 3,883m | 上級 | 2日目午後:本番(最高点) |
ツェルマットから訪れる場所としても、標高差はスネガの2,288mから最高地点の3,883mと1,600m近くの差があります。これは海面からツェルマット村までの標高差とほぼ同じです。
朝焼けのマッターホルンもホテルから見れました。

表記と行き方のまとめ
ツェルマット周辺の地名はドイツ語由来が多いため、英語でもそのままの綴りが使われます。
| 日本語表記 | 英語・現地語表記 | 補足・行き方 |
| ツェルマット | Zermatt | 拠点の村 |
| スネガ | Sunnegga | 村内の駅から地下ケーブルカー(SunneggaExpress)で約3分 |
| ゴルナーグラート | Gornergrat | Zermatt GGB駅から登山鉄道(Gornergrat Bahn)で約33分 |
| グレッシャー・パラダイス | Matterhorn Glacier Paradise | 村の端にある駅から8人乗りゴンドラと大型ロープウェイを乗り継いで約45分 |
| ロートホルン | Rothorn | スネガからゴンドラ(Blauherd行き)とロープウェイを乗り継ぐ。 |
| マッターホルン | Matterhorn | 山の名称 |

【1日目】「下り専用」ルートで体を慣らす

ターゲット:スネガ・エリア(標高2,288m)
初日は無理をせず、肺と足を標高に慣らす「ウォームアップ」に徹します。
- 11:50 ツェルマット到着(Fromミラノ) その後ホテルに荷物を預ける。
- 13:00 地下ケーブルカーでスネガへわずか3分で標高2,288mへ。まずは「ライゼー(Leisee)」の湖畔まで数分下り、逆さマッターホルンで記念撮影。
- 13:30 スネガから「全編下り」ハイキング。ツェルマットまで登りはほぼなし。正面にマッターホルンを見ながら、下り坂でゆっくりと気圧の変化に体を馴染ませます(所要約1〜3時間)。
- 16:00 終了村に戻り、高山病予防のためにアルコールを控えめにして、水分(1.5L以上)をしっかり摂取します。
標高的には最も低いのですが、ここはとても美しいルートです。マッターホルンを遠くに眺めながら花が咲いている登山ルートを下っていきます。個人的にはここが最も好きでした。

【2日目】高度順応の完成と、最高地点へ
ターゲット:ゴルナーグラート(3,089m)& グレッシャー・パラダイス(3,883m)
この日の肝は「午前中に3,000m地点で待機する」というステップアップ戦略です。

【午前】中間高度での「バッファ」作り
- 07:00 ゴルナーグラート鉄道(GGB)乗車登山鉄道でゆっくりと標高を上げることで、急激な気圧変化を避けます。
- 09:00 ゴルナーグラート展望台(3,089m)ここで1〜2時間滞在。テラスでコーヒーを飲みながら、3,000m級の酸素濃度に体を最適化させます。
ここはなるべく早く行くことをお勧めします。ゴルナーグラード展望台が混雑する前に行ったほうがいいです。帰りもすいている間にツェルマットに戻ってこれます。
ゴルナーグラード鉄道は、どこに席をとるかは非常に重要で進行方向右側が重要です。ですが、この争奪戦は難しいです。日本人には難しいかも…

【午後】最高地点 3,883m を攻略
- 11:00 一度ツェルマット村へ下山 → ロープウェイ乗り場へ
- 13:00 マッターホルン・グレッシャー・パラダイス(3,883m)午前中の順応があるため、いきなりここへ来るよりも頭痛のリスクを大幅に軽減できます。
- 見どころ:ヨーロッパ最高地点の展望台、氷の宮殿(Glacier Palace)。多少のアクティビティがあり、食事も可能です。トイレもカフェにあります。(有料)

ここが最も標高が高いところで、マッターホルンを真横に見ることができます。ここの展望台も混雑しているので、日程に余裕があればここを早朝に訪れるのも良いと思います。

また非常に寒いので、防寒具必須です。氷河の中を滑りおりる滑り台などもあるので、ある程度動きやすい服装がいいと思います。

【3日目】予備日を兼ねた締めくくり
ターゲット:ロートホルン(3,103m)
最終日は、万が一2日目の天候が悪かった場合の予備日としても機能させます。
筆者の場合、毎日マッターホルンがとてもよく見えていたので、3日目はホテルのテラスでマッターホルンを眺めて終わりました。が、当初の計画は以下でした。
- 09:00 ロートホルン展望台へ
- 11:00 ブラウヘルト付近の湖
- 13:00 ツェルマット村の散策 ホテルの近くに古い建物が残る一角があるためそこを散策。

「高山病対策」の備忘録
基本的な対策は取っておきましょう。準備しておけることはそんなに多くなく、シンプルです。
- 水分補給: 喉が渇く前に飲む。ハイドレーションパックがあると歩きながら摂取でき、効率的です。
- ピークパスの活用: 各路線のチケットを都度買うのはタイムロス。全線乗り放題の「ピークパス」を事前にオンライン購入しておくのが正解です。
- 深呼吸: 酸素濃度が低いため、意識的に「大きく吐いて、大きく吸う」を繰り返してください。
まとめ:
「初日は下るだけ」「2日目午後にピークを持ってくる」というスケジュールは、医学的にも理にかなった順応プランです。このルートで、安全かつ最高のタイパでツェルマットの様々な表情を楽しみましょう!



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